道を尋ねられた。
昔からよく道を訊かれるほうだと思う。
生まれたところだけど然程詳しくない。
詳しくないというより興味が無いというほうが正しいかもしれない。
でも人口がどのくらいでどんな形かくらいはわかるし、この街は東西と南北に道路が伸びてるんだけど、経験上南北方向はは見た目じゃわからない傾斜があることを知っている。
(上記はすべて合併前の話)
これが意外と厄介で……話がずれるので戻す。
失礼かもしれないがなんでここに観光に来るのかよくわからない(あたしが子どもだからなのかもしれない)。
みんなあたしがそんな人とは知らずよく声をかける。
本日はチャリンコをこいでいると車が並走してきた。
ちょうどその時Ritaの「しあわせのみつけかた」を聞いていたためはじめ気がつかなかった。
声をかけられ道を尋ねられる。
聞かれた場所は漠然とならわかる、左の方向だ。
あまり判らないが訊かれたからには分かりやすいよう答えようとする。
幸い、助手席の人が地図を持っていた。
それを借り、まず現在地を示すし、こう行くといいと教えてあげる。
昔、御歳を召した方に尋ねられた時雪の上に地図を描いて説明したことを思い出した。
最後にありがとうとお礼を言われた。
礼を言われるほどのことじゃないので言われるといつも照れる。
そしていつも「こちらこそ」みたいなことを言ってしまう。
「いえいえ」とか「どういたしまして」と返せばいいのになぜか反射的に変なことを口走る。
そんなこんなで、結構時間喰ったように思ったがイヤホンを付け直すとまだしあわせのみつけかたが流れていた。
チャリに乗りなおし先へ行った後、ちゃんと教えた所で曲がれたか心配になって振り返ったけどもうその車は曲がった後のようだった。